愛するということー一連の季節の調べの中でー
滴が落ちるような刹那の中で君と出会った。
笑いながらボートを漕いだ。朝もやで前が見えない。でも平気だった。
そしていつか、次はないかもしれない恐怖を抱いた。
朝もやはいつしか霧となり、藤の花が咲き始める。
恐怖は幾度となく繰り返して雨となり、咲いたばかりの花を散らした。
今、僕はその花びらを必死に拾い集めている。
重力に気を付けながら。
風に気を取られて。
木漏れ日を絶やさぬように。
ここのところ、君を見つめる度にそんな気持ちになる。
一体全体、どうして僕は君を愛しているのだろう。
こんなにも。